【関西学院大学】【タッチダウン to 関西学院】
「はやぶさ2」実物大模型展示・ヨビノリたくみ氏によるトークイベント・天体観望会・「はやぶさ2」解体ショーを実施
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【関西学院大学webサイトより転載】
7月12日(水曜日)、「はやぶさ2」実物大模型展示・ヨビノリたくみ氏によるトークイベント・天体観望会などを神戸三田キャンパスアカデミックコモンズで開催しました。本学は12日からの約1か月間、宇宙月間として「はやぶさ2」実物大模型の巡回展示企画「宇宙を学ぶ夏『タッチダウン to 関西学院大学』」(後援:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA))を実施しています。今回はその第1弾として開催しました。
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イベントの冒頭を飾るスペシャルトーク「人類は宇宙で生活できるのか」では、ヨビノリたくみ氏がモデレーターを担当し、岸本直子・工学部教授、関由行・生命環境学部教授、田中裕之・工学部教授、八木康夫・建築学部教授が登壇。宇宙で生活するうえで欠かせない食料問題をどう解決するか、宇宙空間で自己再生するような材料の開発は可能かなど、それぞれの専門分野からユニークな観点で宇宙研究についてのアイデアを語りました。
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関由行・生命環境学部教授
関由行・生命環境学部教授
中でも参加学生の関心が特に高かったのは、関教授の「宇宙における生物の進化を研究してみたい。放射線が強い環境など、地球とは全く異なる条件下で生物が進化したら、通常の進化と比べて種類も過程も異なるだろう」という意見。人類の進化や起源と密接に絡んだアイデアに、参加学生は熱心に耳を傾けていました。

八木康夫・建築学部教授
後半に設けられた学生からの質疑応答コーナーでは、理学部や経済学部、人間福祉学部など、文理問わずさまざまな学生が質問をしました。月などの宇宙空間に建物を建てることについて学生から質問された八木教授は、「宇宙には重力がない。そんな環境下で、木材を使ってどんな建物を建てようかと考えると夢が広がる。放射線などの課題はあるが、ガラス張りの建物だっていつか建てられるようになるかもしれない。学生の皆さんには視野を狭めず、自由な発想をしてほしい」とエールを交えて答えました。
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岸本直子・工学部教授
一方で、「アポロ11号が人類初の月面着陸を成し遂げてから数十年、月の開発が大幅な進歩をしているとは言えないように思えるが、何か課題があるのか」という質問も。 これに対し岸本教授は「もちろん当時に比べて技術は格段に進歩した。しかし、高い技術で様々な事態を予測できるようになったからこそ、今まで見えていなかったリスクが可視化され、一歩を踏み出すことができずにいることもある」と答えました。膝を打つ回答にほかの登壇者から多くの意見が寄せられ、質疑応答は盛況のうちに終了しました。
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ヨビノリたくみ氏
トークイベントの終盤、ヨビノリたくみ氏は、「今回は宇宙というテーマを異なる分野の専門家目線で語り合った。ここまでアイデアや議論が盛り上がるということは、やはり宇宙は人類共通のテーマであるということを再認識した。このイベントを通して、より多くの方々に宇宙に興味を持ってもらえればうれしい」と話しました。
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田中裕之・工学部教授
田中教授もこれに頷き、「普段行っている材料開発の研究では宇宙についてあまり考えたことがなかったので、今回のイベントは刺激的だった。制限のあるなかで適切な材料を考えるというのは好奇心が掻き立てられる。逆に言えば、宇宙に比べれば制限が少ない地球の魅力も改めて実感した。そして、その地球で皆さんと今日出会えたことがうれしい」と目を細めました。
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松浦周二・理学部教授
続く天体観測会では松浦周二・理学部教授が「天体観測ミニ講義」を実施。観望の際に使用するレンズの原理を説明した後、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡やすばる望遠鏡に使われている技術の解説をしました。

講義後、参加学生はグループごとに8(ローマ数字)号館天体観測ドームへ移動し、松浦研究室の学生協力のもと、天体観望体験へ。当日はあいにくの曇天だったため、晴天時ほどはっきりと観望することはできなかったものの、時折雲の切れ目から見える天体を観測することができました。モニターに天体が映ると、参加学生から歓声があがる場面もありました。
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特定非営利活動法人ギガスター 間瀬康文 理事長
アカデミックコモンズでは同時並行で特定非営利活動法人ギガスター 間瀬康文 理事長による「はやぶさ2」解体ショーを開催。今回の実物大模型の製作者でもある間瀬氏は、宇宙空間での傾きを調整する際に使用するエンジンなど、「はやぶさ2」が搭載しているさまざまな技術の解説をしました。この頃にはすでに辺りが暗くなっていましたが、多くの学生が最後まで間瀬氏の解説に耳を傾けていました。
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今回、神戸三田キャンパスでのイベントに参加した学生は60名超にのぼります。本イベントの運営に協力してくれた理学部 物理学科4年玉井桃子さんは「参加学生がトークイベントや『はやぶさ2』解体ショーを熱心に聞いているのが印象的だった。天体観望も多くの学生が楽しんでくれたようでうれしい」と声を弾ませました。
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更新日:2023年07月19日