関西学院大学 学生インタビュー
「早起きは辛いけど、子ども達の笑顔に元気をもらえる」 小学校登校時の【見守りボランティア】
兵庫県西宮市・関西学院大学教育学部の藤木教授ゼミでは、近隣にある上ケ原小学校の登校時の見守りボランティアを行っている。取り組みの内容を紹介するとともに、活動に従事してきたゼミ生のインタビューをお届けする。
17 年間続く、地域を見守るボランティア
2001 年6 月に大阪で起こった「池田小学校児童殺傷事件」。当時、子どもが被害者と同年代だった藤木教授は事件に衝撃を受け、自分にできることはないかと同年7 月から登校見守りボランティア活動を始めた。早朝7 時25 分。ゼミ生と共に、小学校が指定した交通量の多い交差点に立ち、集団登校の生徒たちに挨拶をする。その活動は今日まで17 年間変わらず続いていて、現在は大学の授業がある月・水・金曜日に活動を実施している。子ども達の登校後は、始業の時間まで、グラウンドで子どもたちと一緒にドッジボールや鬼ごっこをして遊び、親ぼくを図っている。
毎年、1 年の見守り活動の最終日に開催される「見守りボランティアさんお礼の会」。謝辞や全校生徒による合唱、感謝のメッセージが書かれた寄せ書きなどがプレゼントされる。毎朝のように挨拶をし、一緒に遊んでだお兄さんお姉さんは、小学生にとっては身近なヒーローだ。一生懸命に彼らの名前を読んだり、手をふったりする姿がとても印象的だった。
ともに見守り活動を行う地域の人もお礼の会に参加していて、この活動がしっかりと地域社会に根差していることが伺えた。「いつ迄続けられるかはわかりませんが、意義ある活動だと思うので地域と連携しながら頑張って行きたい」と藤木教授は語ってくれた。
「子ども達の笑顔にエネルギーをもらって、 逆に感謝したい気持ち」
写真左
関西学院大学 教育学部
川端 浩暉さん
写真右
関西学院大学 教育学部
鳥居 昂平さん
―教育学部を志望した動機は?
川端さん:叔父から「教師に向いている」と小さいころから言われていて、その言葉が残っていたので。もともと僕は西宮出身で、小学校もここ上ケ原小学校卒業なんです。地元の大学で教員を目指したいなと思いました。
―活動のやりがいや、経験を通じて学んだことは何ですか?
川端さん:幸運なことに、教育実習のタイミングでもあったので、実習と見守り活動の両面で子どもたちと接することができたんです。1 年間継続して接することで責任感と楽しさを感じたし、また子どもたちと一緒にいるのが苦ではない自分を発見して、より「先生になりたいな」という想いが強くなりました。
―この経験を将来にどう生かしていきたいですか?
川端さん:最初は「与える」意識だったのが、逆に子ども達の笑顔から沢山のエネルギーをもらっていたのに気づきました。相手が喜ぶこと、嬉しいことのために頑張れば、自分にも嬉しいことや感謝の気持ちが返ってくる。この活動を通じて経験したボランティア精神は、きっと今後にも生かせると思います。
「コミュニケーションを重ねて、小さな変化に気づける ようになりました」
―教育学部を志望した動機は?
鳥居さん:もともと親や兄弟がみな教員だったので、僕も自然な流れで「学校の先生になる」んだろうなぁと考えていました。僕は豊岡市出身なんですが、地元から遠すぎないところでいろいろ調べて、関学を志望しました。
―見守り活動を知ったきっかけは?
鳥居さん:入学したときに、藤木先生のゼミの先輩に誘われて。その先輩とは地元が近くて話がもりあがり、いろいろとお話を聞くうちに活動についても興味が沸いてきました。普通は、3回生でゼミに入ってから活動スタートするのですが、僕はゼミに入る前、1回生の時から3年間活動に参加しました。
―活動のやりがいや、経験を通じて学んだことは何ですか?
鳥居さん:最初は朝早く起きるのがとても辛かったです。今でも辛いですが(笑)、優しい先輩方や仲間たちの支えもあって、いつの間にか習慣化して続けることができました。何事も継続して取り組むことは大事だなと。子どもたちの笑顔に日々接する活動はとても意義深く、よい経験ができたと思います。
―この経験を将来にどう生かしていきたいですか?
鳥居さん:もともと人と接するのが得意ではなかったのですが、子ども達と挨拶を交わしたり遊んだりすることで、人の小さな表情の変化にも気づけるようになりました。普通に大学に通っていただけでは体験できないリアルな人とのふれあいの経験を、今後のコミュニケーションに生かしていきたいと思います。
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更新日:2018年02月28日