大手前大学 学生インタビュー

インタビューに応じてくれた大学生と大手前大学メディア・芸術学部マンガ制作専攻のゼミ生が並んで写っている。部屋の奥にある本棚には多数のマンガが収納されている。

ゼミで磨いたマンガの技術を応用し
市内の「こども未来センター」パンフを作成

大手前大学メディア・芸術学部マンガ制作専攻。プロ顔負けのメンバーが揃うこのゼミに、昨年ある依頼が舞い込んできました。その内容とは、大学で学んだマンガのノウハウを生かし、市内にある「こども未来センター」のパンフレットを作成してほしいというもの。学生たちはセンター職員とのミーティングを何度も行い、試行錯誤を重ねたそうです。そして今年3月、パンフレットは見事に完成!制作途中の苦労ややりがいについて、ゼミメンバーの1人、中西理咲さんが語ってくれました。

インタビューに応じてくれた大学生が写っている写真。

大手前大学
メディア・芸術学部 芸術コース
マンガ制作専攻 3年生
中西 理咲さん

一流講師陣のもとでマンガ技術を磨く

―中西さんは現在、大手前大学のマンガ制作専攻に所属されています。普段はどのような勉強をされているのでしょうか。

講義中の様子を写した写真。学生の手元にはマンガの原稿があり、講師から直接指導を受けている様子が写されている。

中西さん:大手前大学には『ルパン三世』のモンキー・パンチ先生や『クッキングパパ』のうえやまとち先生など、日本の漫画界を引っ張る一流の教員の先生方が属されています。そういった先生方の指導を受けながら、マンガの構成に関する知識、クロッキー&ドローイング技術などを日々勉強しています。またCGでキャラクター作成に挑戦したり、実際に短編マンガを制作してみるなど、実践的な表現力・プレゼンテーション力が鍛えられる授業も多いですね。

―そんなマンガ制作専攻のゼミで、今回「こども未来センター」のパンフレットを作ることになりました。

中西さん:西宮市の「こども未来センター」は、さまざまな悩みや不安を持つ子どもたちのための施設。2年ほど前に、子どもの通園療育施設や保護者向けの教育相談施設などが1つになり、新しいセンターができました。最初は私たちもセンターについて知らなかったのですが、これは市民の方々も同じだったようです。センターの職員さんも「施設の役割がいまいち広く理解されていない」という課題を感じておられましたね。これまでとは違うアプローチでの紹介ということで、当ゼミに話が来たんだそうです。

西宮市こども未来センターのパンフレット作成のための打ち合わせの様子を写した写真。デザイン案が描かれたスケッチブックを用いて学生が講師に説明している様子が写されている。

―パンフレット制作は、具体的にはどのように進めてきたのですか。

中西さん:実習授業の一環として、ゼミの佐藤晴美先生の指導を受けながら制作することになりました。まずは私たち自身がセンターへ足を運び、施設の説明を受けたり、職員さんの話を伺ったりするところからスタート。このときの内容を元に、冊子全体をどのような構成にして、マンガやキャラクターをどのように配置すればいいのかを検討しました。

また制作を進めていく中でも、センターの職員さんには何度も授業に足を運んでいただき、いろんな要望を出していただきながら、カタチにしていきました。現時点では誌面構成もほぼ固まり、マンガの絵の調整や表現の仕方など細部の調整を進めているところ。今年3月には完成する予定です。

新しい挑戦で「やりたいこと」が見えてきた

スケッチブックを写した写真。パンフレットに登場するキャラクターのデザイン案が多数描かれている。

―パンフレットの中で、中西さんはどのようなパートを担当されましたか。

中西さん:私自身、マンガというよりはキャラクターデザインに強い興味を持っていました。今回はそのことをお話しし、パンフレットのナビゲート役となるキャラクターのデザインをさせて頂きました。

―もっとも難しかったのはどの部分でしょうか。

中西さん:これまで私が考えたキャラクターは、目がキラキラとしたいわゆる「アニメっぽい」キャラが多かったんです。でも今回の場合は、紹介するのが子どもたち向けの施設。ですのでこれまでのタッチからいったん離れて、線の少ない、シンプルかつ分かりやすいキャラクターにチャレンジしてみることにしました。でもデザインをスタートしてみると、やっぱりなかなか難しくて(笑)。1つ気付いたのは、これまでは私自身が「かわいい」と思うかどうかという“主観”でキャラづくりをしていたんだなということ。今回はそこから抜け出して、見る人がどう思うか、見てどう思ってもらいたいかという“客観”的な視点を持ってデザインすることが求められました。

講師と学生の打ち合わせの様子を写した写真。

―具体的にはどのようなところを工夫されましたか。

中西さん:例えばパンフレットを見る子どもたちの中には、身体のどこかにコンプレックスを感じている子もいるかもしれない。だからキャラクターも人間の基本的な形をあまり大きくデフォルメせず、それでいてかわいさも表現できるよう、細かいところまで本当に悩みましたね。センターの方にもいろいろと相談しつつ、「OK」をもらった時には、本当に大きな達成感を感じることができました。

―今回の取り組みを通して学んだことはありますか。

中西さん:やはり一番は、客観的な視点から考えることの大切さが理解できたということでしょうか。ゼミの佐藤先生からも言われましたが、実際にマンガやイラストのプロになったとしても、編集者やクライアントさんからはいろいろな要望が来るそうです。その時の練習として、本当に貴重な体験ができました。佐藤先生からは「この授業をする中で、ホントにキャラクターの作り方が固まってきたね。上手になったね」とほめてもらいました(笑)。

―この経験は、今後にどう生かせそうですか。

中西さん:今回のパンフレット制作を通して1つ感じたのは、「あれ、私ってゆるいキャラを書くことが案外好きなんだな」っていうこと。実際にキャラクターデザインをしなければ、気付かなかったことかもしれません。だから今はなんとなく、子ども向けのキャラクターをデザインするような仕事に就けたらな、と考えています。私が描いたキャラクターで子どもたちが喜んでくれたりするのって、本当に幸せな気分になれそうですよね。私は現在3回生で、そろそろ就職活動が始まります。まずは子ども向けキャラクターを手掛けるデザイン会社などを中心に情報を集め、インターンシップなどに応募してみようかなと思います。今回のパンフレット制作の体験は、この先の自分の将来を考えるうえでも、とっても大きな経験になりました。

西宮市での学生生活ってどう?

インタビューに応じてくれた大学生が写っている写真。

中西さん:もっとも魅力的に感じるのは、都会っぽいのに洗練されていて、街全体が騒がし過ぎないところです。他大学の学生も非常に多くて、学生生活にはぴったりの街だと思います。

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更新日:2018年05月09日