武庫川女子大学 学生インタビュー

浜甲カンタービレのメンバーが2列になって写っている集合写真

音楽を通して「笑顔の輪」を地域に広げたい!
音楽学部有志で活動する「浜甲カンタービレ」

演奏家の育成だけに留まらず、音楽療法士をはじめ音楽に関する専門知識を持った数多くの人材を輩出する武庫川女子大学音楽学部。同学部では2012年より、音楽を通した地域住民との交流に取り組んできました。活動の主体となっているのが、学部学生有志による「浜甲カンタービレ」。キャンパスにほど近いUR浜甲子園団地の集会場にて、手作りの音楽会や練習会を定期開催しています。今回は音楽会が行われている会場へと伺い、2人の学生に参加のきっかけなどについて話を聞いてみました。

矢野和奏さん

武庫川女子大学 音楽学部応用音楽学科
矢野 和奏さん(2年)

前田あすかさん

武庫川女子大学 音楽学部演奏学科声楽専修
前田 あすかさん(3年)

地域住民が参加する「音楽会」を定期開催

演奏の様子を写した写真。前田さんがソロで歌唱している様子

―まずは「浜甲カンタービレ」の取り組みの内容を教えていただけますか。

前田さん:音楽学部の学生有志が集まり、浜甲子園団地の住民の方々などをお招きして、月1回の参加型音楽会とそれに向けた練習会を開催しています。もともとは4年前に、多田秀子先生の「音楽を通して地域に貢献したい」という想いからスタートしたと聞いていますが、今回でもう54回目。とっても歴史がある活動なんですよ。基本的にはいつでも、いつからでも参加していただけますが、毎回欠かさずに足を運んでくださる住民の方も多くて。いつも集会場が満員近くになるほど好評を得ています。

矢野さん:テーマの設定や選曲といった企画や、練習計画、当日の運営などは、すべて私たち学生が話し合って決めていきます。もちろんみんな授業があるので、集まれるのはどうしても昼休みや放課後が中心になってしまいますね。配布するチラシや、当日会場で配る歌詞シートなどもすべて手作りで行っています。

手書きのホワイトボード、配布されたチラシや歌詞カード、参加型の演奏のための手作り譜面などの写真

―お二人はどうして「浜甲カンタービレ」に参加しようと思われたのですか。

矢野さん:入学直後に、カンタービレの先輩が教室に来て、活動内容を説明していただく機会がありました。話を聞いて、すぐに「参加してみたい!」って思いましたね。私自身、本学を選んだのは音楽をリハビリなどに応用する音楽療法士になりたかったから。いろいろな年齢層の方と接することができるのは、自分の将来にとって必ずプラスになると感じました。

集まった住民さんとともに歌う様子

前田さん:私の場合は、高校のコーラス部時代の先輩から「こんなステキな活動があるよ」って、入学前に誘ってもらっていたんです。面白そうだし、入学したら絶対に参加してみようと(笑)。私も矢野さんと同じですが、普段は接点のない地域の方々と、音楽を通して触れ合えるという点に大きな魅力を感じました。

授業では得られない「気づき」がたくさん!

浜甲カンタビーレの楽譜ファイル

―思い出に残っているエピソードなどはありますか。

矢野さん:活動を始めて間もない1年生のころ、音楽会が終わった後に参加者の女性に呼び止められたんです。「矢野さんの歌で本当に感動したよ」って。こんなことを直接言われたことがなかったので、もうホントに感動しちゃいました。よく来ていただけるシニアの方って、もちろんお客さんではあるんですけど、どこか「私のおじいちゃん、おばあちゃん」みたいな感覚もあって(笑)。成長を暖かく見守ってくれている感じがして、すごく心地いいです。

前田さん:昨年の夏、私のアイデアが実際に音楽会の中で採用されたことがありました。「みんなで楽器を手作りして、最後に全員で合奏してみたい」というもので、それが一番記憶に残っていますね。普段の音楽会では歌と楽器演奏が中心なのですが、夏休みなので子どもから高齢者まで一緒に楽しんでもらいたかったんです。当日は実際に参加者の方々に牛乳パックで「手作りタンバリン」を作ってもらい、最後にそれを使って「風になりたい」を合奏しました。みんな本当に楽しそうで、提案してよかったなと心から感じました。

先生と打ち合わせをする矢野さん

―この活動を通して得られたことは何でしょうか。

矢野さん:すごく個人的なことなんですが、実は私、人前で話すことがちょっと苦手で…。でも今日の音楽会で、初めて司会にチャレンジしたんです。もちろん緊張はしましたが、きちんと最後までできて自分でもびっくりです(笑)。音楽療法士を目指すうえで人と話すことは絶対に必要だと思うので、この経験はきっと将来に生かしていけそうです。

前田さん:私は声楽専修なんですが、練習って1人ですることが多いんですよ。だからカンタービレのみんなや地域の方々と一緒になって楽しめるこの活動は、学生生活を送るうえですごくいいアクセントになっています。月1回の本番のために、準備やあと片付けも含めて大変なことはたくさん。でもなにより音楽会の本番の空気感が本当に大好きなので、毎回終わるたびに「次は今日以上に楽しい会に」ってモチベーションが上がります(笑)。

 

矢野さん:そういえば今回、みんなで一緒に歌う「バラが咲いた」の歌詞シートの制作を担当しました。全部手書きなので、とにかく文字は丁寧に読みやすく、を心がけました。また楽しい気分で歌ってもらえるよう、バラやウサギのイラストも入れてみたんです。合唱中は、自分が書いた歌詞を全員が見ているんだと思うと、ホントにドキドキで…。でもこういった感情も、「浜甲カンタービレ」がなければ絶対に経験できなかったと思います。

参加者の男性と談笑する前田さん

―来月には次の「浜甲カンタービレ」もあります。今後への意気込みを教えてください。

前田さん:この4月から4年生。これまでは自分のことで精一杯でしたが、もっと全体を見渡せるようになっていきたいですね。準備や進行などやるべきことはとても多いので、やり方をきちんと後輩たちに伝えていけるようになりたいと思います。今後もずっと「浜甲カンタービレ」が続いていくよう、責任感を持ってバトンを渡したいと思います。

矢野さん:3年生になる私は、逆に前田さんからバトンを引き継いで、中心になって引っ張って行けるように頑張りたいですね。また来年からは音楽療法士の勉強も本格化してきます。忙しくて「両立が大変」となってしまうのではなく、カンタービレでの経験をうまく音楽療法士の勉強に生かしながら、もっといろいろなことに挑戦していければと考えています。

ほかのメンバーにも聞いてみました!

後藤有咲さん

武庫川女子大学
音楽学部演奏学科ピアノ専修
後藤 有咲さん(2年)

Q.「浜甲カンタービレ」のやりがいは?

A.お客さんが私たちと一緒になって歌ってくださっている様子を見ると、すごく嬉しいですし、励みになります。みなさん本当に音楽が好きな方ばかり。学生とお客さんが一体となって音楽を作り上げていくということ自体が、本当に楽しいです。

Q.活動を通して学んだことは?

A。参加される住民の方の年齢層が幅広いので、コミュニケーション力は磨かれていると思います。人に音楽を「教える」場面って、授業でもめったにないですから。就職活動も含め、将来の自分にとって本当にプラスの経験になりそうです。

コラム

矢野さん

西宮市での学生生活ってどう?

矢野さん:思っていたより川が大きくてびっくりしました。河川敷ののんびりとした雰囲気が好きなので、よく武庫川沿いを散歩したりしています。

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更新日:2018年03月01日