【武庫川女子大学】薬学部内田教授が技術指導した苦味マスキング技術の開発が、英文雑誌に掲載されました
【武庫川女子大学】薬学部の内田享弘教授が技術指導した苦味マスキング技術の開発が、日本薬学会の英文雑誌で最も注目される研究として掲載されました
【武庫川女子大学WEBサイトより転載】
MWU Faculty of Pharmacy’s professor T. Uchida and his development of masking taste buds has been the center of focus at The Pharmaceutical Society of Japan.
苦みの強い薬剤を水なしで飲みやすくする苦み制御技術を、武庫川女子大学薬学部の内田享弘教授による技術指導のもと、ニプロ株式会社が開発。日本薬学会の英文雑誌「Chemical and Pharmaceutical Bulletin, Vol.69」(2021年5月号)に “Highlighted Paper selected by Editor-in-Chief” (最も注目される研究)として選出、掲載されました。
内田教授は、食品に使われる「味覚センサ」の薬剤への応用や、製剤の研究で知られます。唾液ですぐに溶け、水なしで服用できるOD錠(口腔内崩壊錠)は服用が簡便な反面、苦みを感じて飲みにくい欠点があります。このため甘味料や香料で味をごまかす方法がよく使われますが、強烈な苦みやしびれを感じる薬剤では十分な効果が得られず、味の制御が課題になっていました。
内田教授の評価のもと、ニプロ株式会社が開発した頻尿改善薬(ソリフェナシンコハク酸塩)OD錠は、口に入れてから薬物が放出されるまでのラグタイムが 2 分以上あり、患者のQOL向上が期待できます。
本製剤設計の特徴である機能性微粒子は、薬物層の上に中間層としてゲル化膨潤物質、さらに水浸入量制御層を重ねた3層構造を有します。最外層で少量の唾液を取り込むと、中間層が粘り気のあるゲル状に変化し、薬物層が溶解し始めるまでに時間(一定のラグタイム)を得ることができます。その結果、口腔内では苦みを感じることなく、胃に到達後、速やかな薬物放出と吸収が期待されることから、臨床上の価値が高いと考えられます。
今回の成果は、武庫川女子大学と製薬企業の連携により実現しました。今後も両者の連携による一層の研究展開が期待されます。
(2021年5月27日)
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更新日:2021年05月28日