【甲南大学】フィールドワークのご紹介 ~農業編~

【甲南大学マネジメント創造学部webサイトより転載】
今日はCUBEの学びの特徴の1つであるフィールドワークについて、2回生の小丸 莉奈さんのレポートをとおして、ご紹介いたします。

農業フィールドワークに参加したきっかけ

入学当初から、学生のうちにしか経験できないことに挑戦したい思いがあったのですが、やりたいことも見つけられず、なんとなく過ごしていた時期にこのフィールドワークを知りました。 フィールドワークとは、学外へ学びの場を移して実社会が抱える問題などを現地で調査し、肌で感じるという科目です。私は農業フィールドワークに参加して、一からお米を作り、そしてそれを自分たちで販売しました。そういった機会はこれから先もめったになく、お米作りの大変さや多くの時間を費やして何かを作りながら学ぶことこそ、自由な時間がある今しかできないことだと考え、参加を決めました。

活動内容

農業体験をする学生

4月から9月まで1ヶ月に一度、2泊3日で行いました。三重県大台町にある田んぼで活動させていただきました。長袖・長ズボン、中腰で長時間植え続けるので、暑さと足腰の痛みに耐えながらの作業はとても過酷でしたが、全員で声を掛け合ったり、植えやすい植え方など作業中に得た気づきをみんなで共有したりして乗り越えました。すべて植えきった後の達成感はとても大きく、収穫できる日がとても楽しみで本当にわくわくしました。

農業フィールドワークで田植えをする学生たち

6月・7月に行った除草作業では、雑草が稲に似ていたため、見分けるだけでも一苦労でした。また、鎌を使った手作業で雑草を取り除くのでとても苦労しました。しかし、ここでも同じ班の友達が、根の赤いものが雑草だという気づきを教えてくれたので見分けることがとても楽になりました。

収穫作業をする学生たち

9月には収穫作業を行いました。収穫を行う際、稲が乾いた状態でなければならないのですが、稲刈り当日は悪天候に見舞われてしまいました。稲は少しでも刈り取りはじめたら、その日のうちに刈り取る必要があります。しかし、途中で雨が強まりコンバインでの収穫を行うことができなくなってしまったので、その後の作業は鎌を使った手作業での収穫となりました。根気のいる作業でしたが全員で最後まで声を掛け合いながら刈り取りました。

収穫した米を手にする学生たち

そして、育てたお米は自分たちで販売するため、フィールドワーク中は毎日20時頃から2時間ほど販売に関する会議を行いました。その時間に農家の方から、各作業の意味など多くのことも教えていただけたので、作業だけでなく会議の時間もとても貴重なものになりました。 

販売計画を考える際は、利益率や原価計算も学生だけで考えるため経済・経営の実践的な勉強にもなりました。最終的には約5万円の利益を出すことができました。利益率を上げるために包装や加工にかける費用を抑えるなど様々な方法を考え、実行できたことがとても良い経験になったと思います。

農業フィールドワークをとおして学んだこと

フィールドワークへの参加をはじめは悩んでいましたが、一度決意して行動を起こすだけで、多くの貴重な経験と知識が得られたことにとても驚いたとともに、何事も挑戦することの大切さについて身をもって学びました。 

フィールドワーク中に様々な経験をする中で、多くの農家の方々にお世話になりました。私たちに薪割りや箸作り、そば打ちなどを体験させてくださり、そのすべてがとても良い勉強になりました。実際に体験することで普段の授業では学ぶことができない新しい知識をたくさん得ることができました。 また、大自然の中での生活は、スマートフォンばかり触って過ごす1日と同じ長さには思えないほどの濃い時間でした。米作りのことだけではなく、生活に関わるほぼすべてのことに新たな発見ができました。 

また、1つの食べ物にどれだけの労力がかかっているのかをより深く考えるようになりました。今までは、捨てたり残すのはもったいないなどの視点から食料廃棄について考えていました。しかし、自分たちで作ったお米を売り、食べてもらうという課程を通じて、農家の方々の気持ちを知ることができ、考え方の視点が変わりました。 食べ物をおいしく無駄にせずに食べることが農家の方々にとって一番うれしいことなのではないかと気づき、ますます食べ物に感謝しながらおいしく食べようという意識が強まりました。 

 実際に育てたお米や野菜も鹿や猿によって被害を受けたことから獣害についても学びました。獣害対策として柵を作っても、時間が経てばその柵を壊して乗り越え、田んぼや畑が荒らされます。作物に被害が出るとともに柵の補修費用も必要になります。このような農業が抱える深刻な問題についても学ぶことができました。

今後に活かしたいこと

勇気を持って一歩踏み出して参加し、厳しい作業も乗り越えてすべてが良い思い出と知識になりました。今回のフィールドワークを通じて、全く知らない分野のことでも挑戦してみることに意味があり、むしろすべてが新しい発見で面白いと感じられるようになりました。挑戦した自分への自信も得られたと思います。 

今後も迷ったら挑戦を選んで様々な知識と貴重な経験を積み重ねて行きたいと思います。
(2020年2月12日)

 

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更新日:2020年02月18日